『ムジカ・ピッコリーノ』への思いを全部書きだす

更新: 2024-02-02  投稿:
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前回の続き。

『ムジカ・ピッコリーノ』の解説VTRのベスト3を勝手に決める
2017-10-18

タイトルの通り、5年間NHKのムジカ・ピッコリーノを見てきた感想を、全部書きだそうと思います。

今回も前回同様に番組を知っている人向けに書きますので、番組内の用語は解説なしでバンバン使っていきますので、よろしくです。

第1~2シーズン

・演奏での「工夫」っていう意味では、このシーズンが一番好きだった。ドラム・ギター・ピアノ・トロンボーンっていうだいぶ無理のある編成であらゆるジャンルに挑戦していたのが、見ていてワクワクした。例えば『Chaiyya Chaiyya』は、正直「これインド音楽やってるけど、インド音楽になってないんじゃない?」って思ったし、他にもそういう回は結構あった。でも、本当にインド音楽が聞きたいならインド音楽のCDを買えばいいわけで、NHKの教育番組っていう背景も含めて、出演者が子供・大人関係なく、みんなでどんな音楽も楽しく演奏している姿はとても好印象だった。『You can’t hurry love』に至っては、もはや演奏を放棄して3人でタンバリン叩きながら歌ったり、『コンドルは飛んでいる』ではみんなで不慣れなリコーダー吹いたり、次は何を見せてくれるんだろうという面白さがあった。このような期待感は、担当楽器がほとんど固定だった第3シーズン以降にはなくて、第1~2シーズンの特徴だったように思う。

・このときってコーラスがすごくきれいだと思う。今これ書きながら久しぶりにCDを聞いてるけど、『You can’t hurry love』『北風小僧の寒太郎』のコーラスでは「お!」ってびっくりした。

・モンストロの声って、どうやって作ってるんだろう? 人の声を変えているのか、ボーカロイドみたいなもので全部パソコンで作っているのか、ちょっと気になった。

・『4分33秒』の回はかなりの変化球だったけど、すごく良かった。どこかのサイトに「普段はCG背景だけど、現実世界に舞台を移したのが逆に異世界」みたいなことが書いてあったと思うけど、ホントその通りだと思う。その「いつもと違う感じ」が『4分33秒』っていう現代音楽の突拍子のなさをうまく表現したから、面白かったんだと思う。

・完全に話がそれるけど、NHKのEテレが面白くなってきたのは、このころ(2013年)からですね。『考えるカラス』をはじめ、『知恵泉』『昔話法廷』あたりは見てたけど、いずれも素晴らしいです。

第3~4シーズン

・いろんな楽器について知ることができたのは本当に勉強になった。今まで聞いてきた曲の中で、ちょっとした効果音的に使われてきた楽器にも気が止まるようになって、音楽の聴き方が深くなったと思う。
例えば、ビートルズの『Strawberry Field Forever』のイントロの音色はもちろん知っていたけど、それがメロトロンという楽器だとは知らなかった。 D’angeloの『Another Life』について、どっかで「シタールが使われている」と読んだときも、この番組でシタールについて知っていたからこそ「え、シタール使ってるの?」と引っかかった。知ったうえで改めて聞いたら、一発でどの音がシタールか分かった。
テルミンなんかも、ライブでちょこっと使ってるバンドがいるけど(エルビス・コステロとか)、当たり前だけどテルミン専門のプロ奏者がいるなんてことも知らなった。

・番組CDはどちらもよかった。買う前は本編中のセリフを再構成したラジオドラマが収録されているというのを知って「そんなのいらないから、曲だけ収録してくれればいいよ」と思ってたけど、実際に聞いてみたらいい意味で期待を裏切られた。曲と曲の間に、ブリッジとして本編中の台詞が入っているおかげで、アルバム全体としてまた1つの世界観を作り出していて、ある意味コンセプトアルバムっぽくなっていた。あと、みんな地の声がいいから(特に鈴木慶一とオダギリ・ジョー)、耳あたりがいい。普通にしゃべってるだけなのに「音楽」として聞ける。曲順としては、第1~2シーズンのときみたいに曲とBGMが分かれてるより、適度に混ざっている方がいいですね。

・CDに挿入BGMがフルバージョンで入ってるけど、番組中では10秒くらいしかかからないのに、ゴンドウさんがどれも2分~4分くらいの尺でガッツリ作ってるのにびっくりした。

・チャランポランタンはこの番組で知った。『黒ネコのタンゴ』のコーラスにビビッときたので、Youtubeでいろいろ聞いてみたらよかった。それからマークしてます。来年1月は、岐阜市の柳ケ瀬antsへライブ見に行きます。

・少し不満になるんだけど、第3,4シーズンの解説VTRは面白いのが少なかった。まあ、楽器の仕組みや音の出し方を解説するのが多かったから、どうしても理屈っぽくならざるをえないので、しょうがないとは思う。

・SAKEROCKメンバーが多くて、全国のSAKEROCKファンは結構興奮していたと思う。僕もその一人。解散後だったからなおさら。

第5シーズン

・レオ すげー!というのが最初の感想。初回の『学園天国』でアリーナに「きみ、本当に弾けるの!?」と挑発されて、レオが初めてピアノを弾くシーンは、想像をはるかに上回る運指に度肝を抜かれました。第一印象でノックアウトにする素晴らしい演出だったと思います。他にも、レオを生かした『どれにしようかな 天の神様の言うとおり』のジャズアレンジがあったけど、かなり攻めててかっこよかったです。わらべ歌の回は、第5シーズンの中ではかなり好きな回でした。

・シーズンを追うごとに、演奏中のアリーナの演出がかわいくなっていて、第5シーズンでは一番惹きつけられました。『One More Time』でルチオが「Oh Yeah」と言った後にニコッと笑いかけるシーンとか、『スリラー』の回のホラーをイメージしたちょっと怖い顔つきとか「役者だなー」って思った。『sing sing sing』でソロをレオにじゃまされたシーンは、ルチオもアリーナもすっごくいい顔してた。

・ちょっと期待外れだった点を書くと、楽曲としては「無茶じゃないか」と思うくらいチャレンジしてるのが見たかったな、っていうのが正直な感想。
さっきも書いたように、第1シーズンでは失敗を恐れずに挑戦する姿がよくて、しかもみんな楽しそうだったのがよかった。
第3~4シーズンは演奏してるのが一線で活躍してる人たちばかりだから、どんな曲やってもちゃんとかっこよくなるだろうと期待していたし、実際に期待以上だった。
第5シーズンはというと、プレイヤーがうまいから当然見ていてかっこいいんだけど、みんな10代だし、NHKの教育だし、1回くらい「失敗作」も見てみたかった。ゴンドウさんが大人げなく無茶なアレンジをして、みんながお手上げするくらいの回が見たかったなって思う。そんな中でも、Daft Punkの『One More Time』はかなり攻めてて、第5シーズンの中では一番好きだった。あの感じをもっと発展させて、第3~4シーズンのときみたいに「2年目で爆発」っていうのを見てみたかった。あの編成が1年で終わってしまったのもちょっと消化不良だったんだけど、期待しすぎだったかなー。

来週はアリーナ登場の最終回「修了式」。楽しみにしてます。

番組内での演奏は、CDにもなっています。

アルバムとして聴きごたえがあるのは、シーズン4だと思っています。Spotifyでも聞けたはず。

『ムジカ・ピッコリーノ』シーズン6の感想を書き出していく
2019-01-04
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