2016年8月20日

名古屋のソウルフード

 この前名古屋の友達(別に隠す必要はないので、古橋祐也ヒロコ夫婦です)とスガキヤラーメンを食べていたら「柴ちゃん、スガキヤラーメンって、名古屋のソウルフードなんだよ。知ってた?(知らなかった) あ、そうだ、”名古屋のソウルフード”ってタイトルでブログ書いてよ!」とご依頼をいただきました。

 でもなかなか難しいですね。だって、自分の地元ならともかく、名古屋のソウルフードですよ(笑) こっちに引っ越してきたばっかりなのに。

 色々考えたのですが全然思いつかなかったので、謝罪の代わりとして三題噺を書きます。これで許してください・・・。

 テーマは ソウルフード えくぼ 倒置法 です。
 なんとか3つのワードが入れることができたので、三題噺としていちおう成立はしているんじゃないかと思います。


(この話はフィクションです)

「あいつのことはどうにも好きになれない」と、居酒屋でビールを飲みながら、とあるミュージシャンは愚痴っていた。「腕は確実に俺のほうが上なのに。あいつの方がちやほやされて」
「それは間違いないな。お前の方が確実にうまい」と、友人が相槌を打つ。
「トランペットを吹くときに口元にえくぼができるのがカワイイって、女子に人気があるんだとさ。何でそれで人気が出るんだよ。そんなの関係ねーじゃん。腹立つよな。それに、この前のあいつのインタビュー記事見たか?」
 そういって男は雑誌を取り出してページを開くと、記事を声に出して ーー 本人の渋い声をより一層渋くデフォルメして ーー 音読した。

「僕たちがやっている黒人音楽ではよく”ソウル”って言葉を使いますが、なかなか理解しにくい言葉だと思われているようです。でも、全然そんなことないって思うんですよ。
 身近な例を挙げると、地元で親しまれている料理のことを”ソウルフード”っていいますが、あれはもともと黒人の郷土料理って意味なんですね。あなたが地元に誇りを持ってソウルフードって言葉を使うのと同じように、黒人も自分たちのことを誇りに思っていたんです。ソウルってそういうことなんですよ。こうやって考えると、親しみを感じませんか?黒人の音楽に。」

 読み終えた男は、雑誌をテーブルにたたきつける。

「いちいち豆知識をアピールしやがって、腹立たしい。博学アピールかよ。それにカッコつけて倒置法を使うのも鼻につくよな。こういう細かいところまで気になっちまうよ」

「でもあいつのファンは”そこがかっこいい”って言うんだよ。皮肉なもんだよね」
 そう言いながら友人は、心の中でうんざりしていた。愚痴なんて聞きたくない。そして、男の愚痴話を終わらせるタイミングを伺っていた。

「ホント皮肉なもんだよ・・・。よし決めた。今度あいつに会ったら俺の本心を伝えてやる。中指突き立ててShit!(シット)って言ってやることにした」
「いやいや、違うでしょ。お前の本心は Shit!じゃなくて嫉妬(しっと)だよ」