歌舞伎を見に行ってきました

 外国人の日本人に対する思い込みについて前回書きましたが、他には

日本人なら、歌舞伎見たことあるの?

というのも、オーストラリアにいた1年間で3~4回くらい聞かれました。うーん。そう思う気持ちも分からなくはないけど、歌舞伎って映画みたいに気楽に見るものじゃない気がするんですよねぇ。それとも、オーストリア人はウィーンでオペラを見るのが普通で、アメリカ人はブロードウェイでミュージカルを見るのが普通なのかな。

 やっぱり、こういうのは自分の言葉で話せるようにならないといけないですよね。見たこともないのに「日本人だから」といって歌舞伎について好きなように(イメージだけで)話していいなんてことはないはずです。

 そんなわけで銀座の歌舞伎座に行ってまいりました。

銀座の歌舞伎座
1月の公演
写真の出典:歌舞伎公式サイト | 歌舞伎美人(かぶきびと)

 まあ、暇だったから東京をブラブラしていたら偶然前を通りかかって、「せっかくだから見てみよう」と中に入っただけなんですけどね。

 歌舞伎は値が張るイメージがあったのですが、受付の人に話を聞いたところ、1日に8公演ある中の1公演だけを見る一幕見席というのがあるとのこと。これならお値段は1000円くらい。おお!「とりあえず見てみたい」という僕にぴったりだし、お値段も高くない。しかも次の公演の主役は坂東玉三郎さん。このあいだNHK「プロフェッショナル」のドキュメンタリーを見たばっかり! なんたる偶然!

席からの様子
吉田屋
写真の出典:歌舞伎演目案内

 初歌舞伎の感想を一言でいうと「正直よく分からなかったけど、いい雰囲気だった」です。ありきたりですけど(笑)

 「正直よく分からなかった」というのは単純に僕の慣れが足りないだけなのですが、まず台詞が何といっているのかよく分かりませんでした。かなり独特なしゃべりかた(電車内のアナウンスをもっと極端にした感じ)だから聞き取りづらいうえに、言い回しも難しいです。手元にあるあらすじと比べながら「ん?今ここ?」と頑張って追いかけていたのですが、途中から諦めて雰囲気を楽しむのに集中しました(笑) 別にストーリーが分からなくても十分楽しめます。例えば和楽器の演奏。ストーリーに合わせて三味線や尺八や太鼓を演奏するのですが、こういった楽器の生演奏を聞く機会はほとんどないのでそれだけで面白かったです。

 それにしても分からないことはとても多かった。面白い台詞を言ったらしいところで、お客さんがみんな「ワハハ」と笑っていて、僕の隣にいた人なんて抱腹絶倒してたけど、さっきも書いたように台詞が全然分からないからキョトンとしてました。隣の人につまらない奴だと思われてたのかな。さすがに「襖を開けたらまた襖が現れて、その襖を開けたらまた襖が現れて…」という和製マトリョーシカは笑いましたよ。でもやっぱり、みんなが分かる面白さを僕だけ知らない、というのは悔しいですね。あと、坂東玉三郎さんは歌舞伎界のスターらしいのですが、僕は比較対象がないからそのすごさもよく分からなかった。見ていて迫力はありましたが、歌舞伎がみんなそうなのか、坂東玉三郎さんだからそうなのか、そのあたりはなんとも言えないです。あと、「成田家!」とか叫ぶお客さんがいたのですが、これも「急にどうしたの?」って感じでした。

 家に帰ってこういったことを色々調べてみたのですが、あまりピンときませんでした。解説を読めば理解できないこともないのですが、そもそも1回だけ見て歌舞伎のことを理解しようなんていうのが間違いだって思いました。江戸時代から続く歴史あるものなのだから、当たり前ですよね。その深さを感じ取れただけでも行ってよかったと思います。

 もし次に外国人と歌舞伎の話になったら、「面白いから見に行った方がいいよ」と勧めると思います。「日本語分からなくても大丈夫!俺も見に行ったけど、何言ってるか全然分からなかったから!」という所までセットで。

2016年2月14日

音楽の周辺情報を楽しむためのサイト

 音楽には2つの楽しみ方がある。① 純粋な字義通りの音楽性 と ② 周辺情報 ― 時代背景やそのアーティストの作風の変遷 ― それら全体像の中で意味を持つ " 音楽性 "。

 ・・・というのは大雑把な分類かもしれませんが、このような2つの層があるのは間違いではないでしょう。
 2つ目の層、つまり周辺情報を含めた音楽の良さを語っているサイトの中でも、僕が特に好きなものを紹介しようと思います。

俺の好きなアルバムたち
Steely Dan 『Aja』 に「録音オタクの到達点」とコピーをつけているのを見て、このサイトが好きになりました。
僕の好みはジャズファンクと70年代~80年代くらいの洋楽なのですが、そのあたりをドンピシャにカバーしてくれているので、贔屓にしてよく読んでます。ジャズファンクといえば、Baker Brothers というバンドについてそこそこ名前も知られているポジションにあるのだけれど、何しろジャンル自体が非常にニッチなマーケットのため、『ジャズ・ファンク界の大物』といった、どうにも中途半端なポジションと解説しているのは、的確すぎて声を出して笑いました。
ぶらり邦楽途中下車
僕はライブに行くとしても、ドームみたいな大きい所は行かなくて、絶対に収容1000人くらいのライブハウスしか行きません。そのくらいの規模でかなり個性的なことをやっているバンドが好きです。このサイトではそのようなバンドの感想が書かれているのですが、上のサイトと同様に、周辺知識+その音楽への愛 という構造です。そして、音楽を聴いてなんとなく感じるようなこと、例えばその「個性」が聞く人にどんな印象を与えるのかなどを、きっちり言葉で表してくれているので、読んでいてスッキリします。特に cero『My Lost City』に対する「POP→アングラという道筋の王道を示しているのではないか」という感想はポンと膝を打ちました。
ポップの世紀
20世紀全体の音楽…にとどまらず、文学、映画、ドラマなど、網羅的に解説したサイト。大量の本を読み、大量の音楽を聴き、それらを体系的にホームページにまとめ・・・頭の中がどうなってるか見てみたい。
あまりに量が膨大すぎて、とても読み切れません。ですので、僕はこのサイトは辞書的な使い方をしています。名前順に並んでいるページがあるので、好きな人を探して読み、新しい視点を獲得する。
ただし、良くも悪くも”堅い感じ”があります。まずは上の2つのようにライトなバージョンを読んでから、これを読んでさらに進化させるのがいいと思います。
2016年2月16日

スイッチ総研 × 下北沢演劇祭 「あなたの知らない本多劇場」を見に行ってきました

「スイッチ」を押すと「何か」が起こる!3秒~30秒の小さな演劇!

 六本木の街中に仕掛けられた様々なスイッチ。「スイッチ」と言っても、ポチッと押すようなボタンではありません。例えばメガネ屋の前にサングラスと「このサングラスをかけてください」と書かれた紙が。指示通りにサングラスをかけるとスイッチON! 店内から2人組の女性客が出てきて、「うわ~カワイイ~」「すごく似合ってる~」とこっちを見ながら通り過ぎていく・・・というだけの劇(笑)

 NONFIXというドキュメンタリーでこれを見た瞬間にハマってしまいました。劇団の名前は『スイッチ総研』(公式HP)。それから約半年間「見に行きたいなあ」と思い続けていたのですが、ついにこのときが!

本多劇場  演劇の街、下北沢の本多劇場! なんと、舞台裏も含めて劇場内を一周廻りながら、計16個のスイッチを押すという30分の特別ツアーです! 楽屋、調光室、舞台袖、社長室などを巡りながら、ときには関係者、ときには観客、ときには出演者の気分になってスイッチを押し続けました。

 僕が一番好きだったのは、ビル屋上のスイッチ。そこには台本と「赤線の部分を声に出して読んでください」と書かれた紙。赤線の部分には「おおロミオ、どうしてあなたはロミオなの?」と台詞が書いてあります。

 僕「おおロミオ、どうしてあなたはロミ・・・」「あなたはロミオなの?」

 横から声がしたので振り向くと、いかにも演出家っぽい風貌の男の人がこっちを見て立っています(いつの間に!)。
「ちゃんと声でてるじゃない。それなら本番大丈夫だから。自信持って。君ならできるよ」
あ、、ありがとうございます、、、
「じゃ、俺はもう一本タバコ吸ってから行くから、先に下で準備してて」
そして、颯爽と去っていく・・・という劇(笑)

 これは要するに、僕が役者で、屋上で台詞の練習をしていたら、ちゃんと頑張ってる姿を隠れて見てくれていた演出家に励まされるっていう、中二病みたいな展開…じゃなくて、青春マンガみたいな展開ってことですね(笑)。こういうのって演劇の世界では「あるある」なんですか? でも、「俺はもう一本タバコ吸ってから行くから」っていうのは、妙にリアルで面白かったです。

チラシ
画像引用元:http://switch-souken.tumblr.com/

 こんな感じで、演劇界では本当にあることなのかはともかく、” いかにもありそうな " 世界に入り込んだ気分になることができました。行く前にはそれぞれ単発のスイッチをたくさん押すのかと思っていたら、前のスイッチのストーリーが後になってつながってきたりもして、期待以上でした! 30分間笑いっぱなしで、これで2500円は本当に安いと思います。やっぱり役者さんの演技を生で見るのって、迫力ありますね。

 また、スイッチのことは抜きにしても、本多劇場の舞台裏が見れたのも貴重な経験でした。裏の舞台装置も見れたし、ステージの上に立って照明を浴びることもできたし、調光室のライトもすぐそこで見れた。しかもそれを使った演劇が目の前で繰り広げられる。バックステージを開放するのは本多劇場にとっても初めてのことだそうで、一生の思い出に残ると思います。

 いいところばっかり挙げすぎたかなあ。でも、本当に文句ひとつないくらいの出来栄えだったんです。順路を示す矢印もわかりやすかったですし…。
 無理矢理に悪かったところを捻りだすなら、1人テレビでよく見る役者さんがいて、その人が出てきた瞬間に「あっ!あの人だ!」って嬉しくなってしまい、そっちに気を取られて劇の内容が頭に入ってこなかったことかなあ(笑)。まあ、これは僕の責任ですので、つまり全部楽しかったってことです(笑)

 というわけで、本当にオススメ! もしこれを読んでいる人がいたら、是非次の公演を見に行ってください! 僕もまた行きますから!

(終わったからネタバレしてもいいと思ったのですが、もしダメだったら、関係者の方が見てたら連絡ください。すぐに消します)

2016年2月28日

食べきれない量のご飯をもらう(南三陸1日目)

 今日から南三陸に1ヶ月くらい住みます。
 こういう田舎では農家の人とかにたくさん野菜をもらえるから食費がかからない、という話をよく聞きますが、初日からその洗礼を受けました。

おにぎり12個・たこの刺身・ワカメ(ボール1個分)・茎ワカメの漬物など

▲今日だけでもらったご飯。

 こんなに食べられないっす。。。

 明日からワカメ漁業のお手伝い頑張ります。