就活とおばちゃん

更新: 2023-06-04  投稿:
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昨日、就活を始めてから最初の面接に行ってきました。
自分は緊張しいなので不安だったのですが、結構大丈夫でした。よかった~
気を紛らわすために始まる前は同時刻に受ける人と控室で雑談。
「僕、この自己紹介用紙、昨日の夜書いたんですよ~」
「ホントですか?私もです(笑)」
とかしゃべってたらあっという間に開始時間に。(このブログをあの会社の人事の人に見られたらヤバイけど、見てないと思うから大丈夫笑)

面接も和やかな雰囲気の中でやってくれたので、ただの雑談って感じでした。20分だけだったけど自分のことは分かってもらえたと思うので、あとは向こうに決めてもらいます。
やっぱりワーホリのことは食いつくんですね。「オーストラリアで何をしたんですか?」と聞かれたので、本当だったら「ハイ来た!」と言わんばかりに「ワーキングホリデーって、別に何もしなくてもいいんですよ。というのもですね…」とずーっと話しながらハイボール片手に唐揚げとシーザーサラダをつまみたいんですけど、まぁ面接なので「まずは生活しないといけないので、住むところと仕事を見つけて…」くらいに答えました。それでも「さすが」といったら失礼ですけど、やっぱり人事の人は話の引き出し方が上手というか、気分よく話せるように相槌を打ってくれたり、話を広げる質問をはさんでくれたりするので、とてもリラックスしていつも通り話せたと思います。
ただ、エントリーシートの「大学生活で一番頑張ったことは?」のような質問に対して、最近ワーホリのことを書きすぎています。これは”はかいこうせん”使いすぎ(ポケモン)と同じで、よくありません。ここぞというときにのため温存しないと。

で、面接が終わった後。
ビルを出ようとしたら、オフィスの警備員の人が外国人のおばちゃんに道を聞かれて困っていました。「Hello! Shall I help you?」と話しかけると、どうやら品川駅に行きたいとのこと。
「OK! Tokyo station is right there and you can go to Shinagawa by Yamanote line from here. I’m going to Shibuya now so let’s get on Yamanote line together」
と答えながら「あー、昔ほど無意識に英語しゃべれなくなってる」と軽くガッカリ。
どうやらアメリカのジョージア州から来たらしい。見た目から判断してネイティブアメリカンかな?
そのおばちゃんがとても陽気で楽しい人で、品川に着くまでの約20分間、おしゃべりに花を咲かせていました。
「ちょっとゆっくり話してくれますか?」とお願いすると「何言ってんの。私たちコミュニケーションできてるじゃない」と言って背中をバンバン叩かれたり、いままでどんな国に行ったかを聞いたり(ほとんど全世界に行ってるらしい)。
その嬉しそうに話す様子を見ていたら、インドに行った時の気持ちがフラッシュバックしてきました。全てがゴチャゴチャしていて、だからこそ人の温かみを伝わってきて、「俺、生きてるー!」と実感できた、あのときのゾクゾクを。
品川の前の田町に着いた頃、「自分も旅が好きなんだけど、最近始めたばっかりなんです。だからまだあんまり色んな場所には行けてないです」と言うと「心配しなくてもいいって。旅が好きって気持ちさえあればこれからどこにでも行けるから。私も旅が大好きよ。だから私とあなたはつながってるわね」
そしておばちゃんは、日本語でありがとうと言って、電車を降りて行きました。
オシャレなこと言うね、おばちゃん。勇気出てきたよ。こっちこそありがとう。

またあのときの借りを返し損なってしまいました。


話はさかのぼって1年半前。インドのコルカタに行ったとき。
友達の家に遊びに行ったあとの、帰り道の話です。
来たときと同じ道を戻ればいいだけだから簡単だと思っていました。バス47に乗って、Belgachia駅で降りる。駅に着けばあとは大丈夫。
しかし時刻は夜6時。すでに日は暮れ、来た時と外の景色は全く違っていました。

インドのコルカタ

おまけにバスの中はぎゅうぎゅう詰め。窓の外は見えません。車内アナウンスなんて、もちろんない。

ヤバい…どこで降りるかわからない…誰かに教えてもらわないと…

「Excuse me. I want to…」「No.」
「Excuse me…」「No.」
コルカタの第一公用語はベンガル語。英語を話せるのはほんの一握りの人だけです。焦りました。

5人くらいに話しかけても全部返事はノー。このままじゃ家に帰れないんじゃないかと軽くパニックになりかけた、そのとき。
近くにいた人に、肩をポンポンと叩かれました。
「You’re going to Belgachia station, right? I’ll let you know.」
やった!英語が通じる!これで家に帰れる!しかも、駅に着いたら教えてくれるって!
この時の安心感は今でも強烈に覚えています。

駅はすぐそこだったのでおしゃべりする時間がなかったのですが、バスを降りる直前も「Do you have a ticket?」と声をかけてもらい、その優しさが身に染みました。

あのときの恩は絶対に返したいと今でも思っています。だから、言葉が通じたときの安心感を与えるのは、僕の義務だと思っています。
英語が話せる人がそれほど多くない日本では、なおさらです。

ああそれなのに、自分がおばちゃんを助ける番になったら、逆に教えてもらうことばかり。
「あの時の恩を返し切った」と思えることは、これからもないのだと思います。

僕をこの無限ループの中に入れてくれたあのインド人には、本当に感謝しています。

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